FACTFULNESS 人間はチンパンジーに負けている!?
この本は、
・教育
・貧困
・環境
・エネルギー
・医療
・人口問題
の幅広い分野を取り上げている。
人間は思いこみで世界のほとんどを判断している。
- 現在、低所得国に暮らす女子の何割が、初等教育を修了する?
20%?40%?60%?
- 世界で最も多くの人が住んでいるのはどこ?
低所得国?中所得国?高所得国?
- いくらかでも電気を使える人は、世界にどのくらいいる?
20%?50%?80%?
このように実際に本の最初でいくつか問題が出される。
ほとんどの人は、正解率が低いと思う。
実際自分も解いてみて、ほとんど間違っていて「自分は世界事実を何も知らない」と痛感した。
賢い人ほど、世界について大きく勘違いしている。
「データを基に世界を正しく見れて世界を理解する」というこの本が教えてくれる。
データが示す世界
低所得国の人は人口の9%、そして平均寿命は62歳。
多くの人は、食べ物に困らないし、多くの人はある程度安全な水道水が飲める。
多くの子供はワクチンを接種するし、多くの女の子は小学校を卒業する。
私たちがテレビとかで見るような低所得国の映像はドラマチックすぎる世界の見方が働いているかもしれない。
極端の描写の方が印象に残りやすい原理と同じだ。
データで示す世界をみてみると人間の思い込みとはかけ離れている。
「途上国」という言葉自体が正しいのか?
「先進国」と「途上国」。
「私たち」と「あの人たち」。
こういう言葉自体が間違っている。と書いてあった。
確かに、自分たちが世界を二つに分断する意味はない。
世界を正しく見定めるには、こうする必要はない。
こう分けた所で、最も貧しい人を見つけて支援するのには役に立たない。
自分の生活水準で世界を判断していいのか?
「車を持っている人が裕福ならば、車を持っていない人は貧困か?」
決してそうではないだろう。
自分の生活レベルが高かったら、それ以下の生活レベルは全て同じに見えてしまうだろう。
貧しいという言葉自体があやふやになる。
生活レベルが高い国だって、古びた車を乗っている人がいたら、貧しく見えるかもしれない。
世界は悲観的ではない
現在は人類史上、最も早いスピードで貧困が減ってきている。
貧困の指標も昔と比べてレベルは上がってきている。
人口増加も横ばいになって行くだろう。
自分の大切な人が酔っ払いに殺される確率は、
テロリストに殺される確率よりも50倍高い。
これらはまだ本の前半部分にしか過ぎない。
にも関わらず内容が濃く世界を正しく理解できるようになっていく。
思いこみではなく、事実を基に行動すれば未来はもっと前進できるはずと、
思い知らせてくれる一冊である。
FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣
- 作者: ハンス・ロスリング,オーラ・ロスリング,アンナ・ロスリング・ロンランド,上杉周作,関美和
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2019/01/11
- メディア: 単行本
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