読書ブログ

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読書から得た追体験を、ブログで話します

実験思考

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「世の中のことは実際にやってみないとわからないことだらけ」

この本を読んで実感したことです。

わからないことに悩んでたってわからないんだから、やってみてその結果を見ることが大事。

光本さんはそれを徹底して色々試している。

つまり「実験」という感覚で世の中の動きをみている。

この本も実験として「0円」で売ると儲かるのかどうかという実験である。

「人の本質」とは何か?

光本さんは「CASH」というサービスを実際に運用してみて、「人の本質」が見えたという。

性善説を基に、人はどのように動くのかを実験として世の中にアイデアを説いてみた。

CASHを通して、人間の動きや世の中の動きをみることができる、つまり「人間の本質」をみるには

固定概念を外して物事に疑問を持ってみてゼロレベルで考えてみる。

世の中を変える

実際に世の中を変えようとするには、当たり前を疑うこと。

「AはこうあるけどBにしてみたらどうだろう」というように、興味や面白そうと思ったらとりあえずやってみる。

考えるということを考えない

あえて普通に過ごすことによって経営者が忘れてしまいそうな「当たり前の感覚」を持つようにしている。

光本さんは、「普通の人間」であるようにしている。経営者は忙しいイメージがあり、普通の人とはかけ離れた密な時間を過ごしているように感じる。

でも、光本さんは生活の中でゆっくりとした時間を過ごしながら、日常を感じてそこからアイデアを浮かぶようにしている。

効率なことをやりすぎていると創造性が生まれないので、あえて非効率なことをやることによって創造性を高められるということは、とてもいいことだ。

違和感をスルーしない

日常的な生活をしていて、ここが「不便だな」とか「もっとこうだったらいいのに」ということから

そこを改善するようなことがビジネスアイデアになるかも?

日頃から「疑問」を持つ、そのことが大切だという。

本の追体験

この「実験思考」という本から、本というより本に+αとして、オプションがつくことに意味があると感じる。

読み終わったらそこで終わるのではなくてそこから体験が始まる。

「読書」→「体験」が一連の流れになっているかと個人的に感じるし、「読者がどう動くか」ということも

観察できることに面白みが生まれる。

本から読者自身何かを体験できる所に、惹かれ拡散していく、まさに読書からの追体験だなと感じる。


実験思考 世の中、すべては実験 (NewsPicks Book)

実験思考 世の中、すべては実験 (NewsPicks Book)

チームを作る法則とは!?

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チーム作りは「精神論」「経験論」ではなく「法則」で決まる。

この本は、「チーム作りは実は法則で決まるんだ!」って気づかせてくれる一冊です。

読む前はチームというものは

  • 「多様性が多いメンバーがいいチーム」
  • 「目標をしっかり達成するチームがいいチーム」
  • 「コミュニケーションが多いチームはいいチーム」
  • 「みんなで話あって決めるのがいいチーム」

という「いいチーム」という固定概念が何となくありました。

でも、実際読んでみると「いいチーム」というものはパフォーマンスが

発揮されないと「いいチーム」にはならないのかなって思ったのと同時に

時と場合に応じて本章の「法則」をチームを作る機会があった時に取り入れていくべきだとも感じました。

多くの人は「チーム」を誤解している

本文の法則として

  • Aimの法則
  • Boarding の法則
  • Communicationの法則
  • Decisionの法則
  • Engagementの法則

各章5つの法則でまとめられています。

チームの存在

今は「個」の価値が重要視されている中、その「個と個」を繋ぐチームのあり方が重要視されている。

→その中で「いいチーム」とはどういうものなのかを考えて行かなければいけない!

「いいチームを目指すために、目標を達成するために頑張ろう!」と思うかもしれないですよね。

でも、確実に目標を達成すると意識する前にチームにとってどのような目標設定が適切かと考えにシフトするべきだということ!

チームがなんのために存在し、どんな影響を与えていくべきなのか全てのメンバーが
意識して自発的に行動
し成果があげられるチーム作りが求められている。

本文でこのような一文がありました。

「チーム」というメンバー、一人一人が主体的に創造し行動する。

チーム活動の意味とは何か意義とは何か?

それが明確に言語化できて初めて個人個人で自ら行動できるようになる!

チーム作りに正解はない

チームが取り組む活動や置かれてる環境がそれぞれちがうから、チーム作りに正解はないという。

「チームには絶対解がある」のではなく、「チームには最適解がある」と考える

「チーム」それぞれの形態的に流動性が高いチームは「チームを入れ替えた方がいい」場合もある。

そして、人材の連結度合いが大きいか小さきかでチームのメンバーは多様性か均一性どちらが必要かを考える。

これが「チームにとって最適解」を考えるということ!

何か絶対的な正解の「チーム」があるのではなく、それぞれの「チーム」のあり方を考える。


コミュニケーションと意思決定

コミュニケーションを取る環境

メンバー全体として最高のパフォーマンスを出すには「コミュニケーションを多く取る」とは勘違い。

チームのメンバー同士の相互理解心理的安全があると効果的な連結が生まれ「いいチーム」となる。

コミュニケーションを取るというより、そのコミュニケーションを取れる環境を考えるといい!

つまり、大切なのは

  • 「 お互いが理解し合えるコミュニケーション」
  • 「安心して意見が言えるコミュニケーション」

そのお互いの言い合える空気感がチームにとって重要。

意思決定の方法を意思決定する

チーム全体の意思決定を軽くみていてはチームを間違った方向に進んでしまうかもしれない。

意思決定というのはチームのパフォーマンスに大きな影響を与える!

まず、チームの議題に対しての意思決定をする前に、その意思決定をどのような方法で意思決定するかを決めた方がいいという。

リーダーが大胆に決断したほうがいい場合もあるし、合議の様な意思決定をした方がいい場合もある。

その意思決定の方法をチーム全体としてどの様に決めるかを考えることが重要!


まとめ

この本を読んで、「チーム」というものに対してあんまり深く考えてこなかったなぁ〜と痛感しました。

チームのあり方はその状況に応じて変化させていかなければいけないということ。

初期のメンバーが必ずしも最高のメンバーとはなり得ないってことを感じてよく考えてみたら、

TVとかでみるメンバーも昔と変わってきているな〜て思いました。

現状として「チーム」のパフォーマンスを考えると変化させていくべきなんですね。

主体的に動く

組織全体を変えたいなら、経営者や人事だけではなく、主体的にチーム全体がチームを変えようとすることが大事

と本文中に書いていて、昔と違って今は「金銭や地位」というよりも

感情」にメンバーが共感して主体的に動く様になってきているのかと学びました。

そしてどの様にしたらチームのモチベーションが上がるかを明確化する必要性も書いていたので、もし「チーム」を作る機会があったら活かして行きたいと思いました。

「いいチームってっこうなんだ」って固定概念に縛られるよりも、チームの形態に応じて「変化」させていく重要性を感じられる一冊でした。


THE TEAM 5つの法則 (NewsPicks Book)

THE TEAM 5つの法則 (NewsPicks Book)

仕事は楽しいかね?

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何も苦もなく仕事をしているのに「不満」は生まれてくるのはどうしてだろうか?

それは、仕事に対してというより今いる自分の立場か心理的何かに問題があるかもしれない。

この本は、自分は「仕事」に対してどのように捉えていくか考えさせられる一冊である。

試してみることに失敗はない

割と起業家の人とか、「大好きなことをしろ!」とか良く言うがこれはいいアドバイスなのに間違いない。

だが、これには問題がある。多くの人は自分がどんな仕事が「大好き」か、

どんなことをずっとしたいのかよく理解していないということ。

理想を明確化していないから、仕事に対して物足りなさや取り残された感が出てしまっている。

自分はどのようになりたいのか?自分の将来は「試す」ことに限る。

試行錯誤して手当たり次第試しあれこれやることによって自分のなりたいものになってくる。

将来はコイン投げのように表が出れば勝ちというような変えられない運命ではない、表が出れば勝ちなら投げ続けれればいい。

表が出るように投げ続けると言う「試し」が必要である。

イデアの発案

いいアイデアが降ってこないかただ待っているだけではだめ。

そういうことをしていてはいいアイデアに巡り会えないし、素晴らしいアイデアを見逃してしまっている。

イデアが生まれたらまず「試す」。まず考えるよりも先にとにかく始めてみる。

実際その方法が合っているかどうか確かめる方法は「やってみる」ことに限る。

イデアの発案は色々な方法があるので、違う視点から物事を考えることが必要。

イデアを出すというより既存のものの問題点を洗い出して改善したものが新しいアイデアとなる場合もある。

試すことを怖がる事と思わない。むしろそこに「喜び」を見つけ出す。

イデアを沢山持ち沢山試す


明日は今日の違う自分になってること

人生に対して計画や目標を立てることを目的化しすぎてそれに依存しているとそれが弊害となって

臨機応変に対応できなくなってしまう。

学校教育は目標設定をし、それに向かって努力するようなカリキュラムだが、人生は実際そんなにうまくいくわけではない。

人生何が起こるかわからないので、計画立てすぎるのが返って良くない場合があるかも…

一連の姿勢が正しくあれば、望むものはなんでも手に入ると思っているかもしれないが望みうる最良の物は手に入れたものを好きになること。

姿勢を正してから成功するのではなくて、成功してからその過程の姿勢を見直しただす。

他人を凌ぎたいなら「人並みの人」をやめること。つまり試し続けるしかない。

試すことに失敗はないのだから。

この言葉って割と響く…


まとめ

人生は「試す」ことが重要であると気づかされる内容だった。

「試すことに失敗はない」という具体的な意味は、何かをやった結果ろくでもないと自覚した時

その時自分はもとのいた場所に戻ることはない。必ずその時なにかを学ぶから。

もし学ぶことがなかった場合、その時していた事にもっと価値をつける事を自覚する。

そういう意味で試す事に失敗はないといこと。

できることはどんどん変えていく。

自分が変わっていると自覚するくらい変化する。


仕事は楽しいかね? (きこ書房)

仕事は楽しいかね? (きこ書房)

ビジョンを論理的につなぐ方法とは!?

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直感と論理をつなぐ思考法という本を読み簡潔にいうと

自分のビジョンをどう具体化していくのか」ということ

自分が「こうしたい」というモヤモヤ感をまず紙に書き起こし

箇条書きのように言葉にする前にまず「」や「イラスト」でまとめる。

それを具体的にどのようにやっていくのかがわかりやすく書かれている一冊。

自分らしさとは?

自分モードより、他人モードが優先されてしまっている人

他人の人生や、他人のためにやっていることの延長で、人の役に立つのが嬉しいと思い続けているといつのまにか「自分らしさ」が失われる。

「人のため」と思うことは大事だと思うがそればっかりに頭が働いてしまうと、「自分のやりたいこと」が見失ってしまう。

「自分の人生」を歩んでる人は「他人の目」を気にしない。自分から見える周りの景色を見ながら自分の思考ややってる事に没頭し、ひたすら目の前を進んでる。

まず、自分がこうしたいという「ビジョン」を持つことが人生において大事なことになる。

方向性への不安感よりワクワク感

実際に自分のビジョンに対して実際足を踏み入れ辛いのは「これが役に立つかどうか」って思考が邪魔してしまう。

「役に立つかどうか」という不安感より自分のもつ欲望や、好きなこと、ワクワクすることに向き合うこと。

その先の過程の延長で個人の妄想を形にしていくにはどのようにしていけばいいのか深掘りしていく必要がある。

長期的にこの先どうなっていくのだろうっていうのは、ただ細かいロジックや分析の足し合わせによってしか生まれないためビジョン思考では直感や感性が求めれらる。


本当に価値のある物は妄想からしか生まれない

常に現実からかけ離れたことを意識的に言葉にしている人はビジョンが現実になっている。

僕たちは大人になる過程で「実現可能性の壁」を学び、発想力にあらかじめストップかけるような習慣づけられている。いわゆる「大人の判断」というやつ

本文の中の一文である。

つまり、「自分のビジョンを現実にしたければそういう判断を外さないといけない」ということ。

子供の頃、現実を考えずに発想力を働かせて遊んでいたように。

子供の頃の重要な点は二つ

  • ワクワクしたり、今という時を楽しむ。
  • 考えるという前にまず手を動かす。

自分のビジョンについて、まず「考える前に手を動かしてみる

私たち人間は「思考⇨行動」の順序に囚われすぎているので、まずその順序を壊してみる。

パッと思いつきで手を動かし考えながらアイデアを形にしてみる。そのインスピレーションが重要。

そして、「あたりまえ」みたいな考えを取り外し
実現に起こらなそうな質問を自分に投げかけ、そこから妄想してみる。


まず考えを形にしてみる

最初から素晴らしいアイデアを思いつく人なんてそうそういない。なのでどんなアイデアでもいいのでまず形にしてみることが大事。

そして、日本人の特徴として「我慢する」ことを美徳とする傾向があるが、

現代において自己表現をしたいのにできないのは制約でしかないので常に常識に疑問を持つことが求められる。

大切なのは最初から素晴らしいアイデアを出すセンスより、一定のプロセスを経てアイデアを丁寧に磨いていく。

そもそも、アイデアというと「新しい何か」というものを想像するが、新しい何かを作るより既存のものを新しく組み替える事もデザインになる。

分解して再構築する」または「別と別を組み合わせる」それも新しいアイデアになりデザインになる。


まとめ

自分のビジョンを具体化したいなら、(イメージ→言語化→イメージ→言語化)を繰り返す。

相手に自分のアイデアを伝えるとき、言葉で伝えるよりもイラストで伝えた方が共感性を生み出しやすい。

ということをこの本で学んだ。

最後にAIやテクノロジーが発展していった未来で自分のビジョンを持っていなければ搾取される側になってしまう

「自分モード」のように自分の描く未来はどういうものなのか、どうしたいのかという妄想がなければ充実した人生を歩めないのではないかって感じた。


直感と論理をつなぐ思考法 VISION DRIVEN

直感と論理をつなぐ思考法 VISION DRIVEN

英語を学ばない言い訳を翻訳機能のせいにしてない!?

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グローバルにつながった現代において

英語を使える人と使えない人が同じ土俵で競争していることが目に見えています。

どちらが有利かを考えれば圧倒的に後者の方が有利なのはわかりますね。

英語を使えたら…?

  • 日本語だけではない「英語の情報取得」
  • 「海外での活動」においてラクに行動できる。

などなど…

英語ができるかできないかの立場において経験の差は広がっていくと思います。

またテクノロジーが発展していって翻訳機やAI翻訳が登場しその中で

「英語を学ぶ」意義は何なのかこの本を読んでしっかり考えるべきだと思いました。

AI翻訳を英語を学ばなくていい言い訳にしない

容易な会話においての翻訳機能の必要性

テクノロジーの進歩によって翻訳機能の精度は高くなってくるのは確かです。

でも現実的な事を考えて、「簡単な会話ぐらいで一々翻訳機能を使う?」って

聞かれたら「ちょっとした会話で翻訳機能を使うのってめんどくさいな」って感じます。

本文の一文でもあった通り

AIは手助けをしてくれるが、自分で喋る方が圧倒的に早いのは変わらない。

ってのは割と現実的なことを言っていると思います。

だからAIの翻訳機能を英語を学ばない言い訳にしてはいけないと個人的に感じます。

翻訳機能を期待して頑張らない人の言い訳

また、英語を使える人を羨ましがって「英語ができたらいいのに」と思いながら

英語を学ぼうと頑張らない人は「機械翻訳が使えるようになるから」って言い訳しているかもしれません。

そういう人は嫉妬ばかりしてサボり癖がつくので、英語以外でも頑張ろうとしないのではないか…って思います。

英語が話せないより話そうとしない、学ぼうとしない姿勢が問題。

またグローバルに活躍したいなら英語は必須条件。やはり英語ができるできない人の差は

大きくなってくると思います。


英語を学ぶ意味

日本人の特徴として英語を「ペラペラ喋る」ことを念頭に目指す人が多い。

また、英語を話している人を見て「英語が上手いか下手」で注目して内容を気にしていない人も多い。

英語を学ぶ上で大事なのは英語力が高いかどうかではなくて発信したい内容があるかどうか」だと思います。

英語がいくら上手でも「自分の意見」がないと話す内容がないので意味ないと感じます。

英語を学ぶ意味はそこにあり、グローバルに活躍したいと思えば学んだ方がいいと思います。

英語ができても使わなかったら意味がないかなと…


結果を求めすぎない

結果を求めすぎている人は挫折しやすいということ。

学校の模試とか勉強でもそうだがすぐ結果に出ないと嘆いてしまう人が多い。

英語の場合2〜3ヶ月で結果が出ないのは当たり前なので、

すぐに結果が目に見えなくても「続ける」ことが大事です。

結果を見て一喜一憂するより、どのように続けられるか

考えることに頭をシフトした方がいいとのこと。

嫌々英語を学んでいても続かないので、どうしたら楽しく夢中になれるかを

試行錯誤しながらやってみるといいかもしれません。


まとめ

何事においても「楽しければ継続しない」とこの本を読んで思いました。

努力は夢中には勝てない」のと同じように「努力」ではなく「夢中」に

取り組めるようにする、その仕組みを考えるところから始めた方がいいと感じます。

英語力を高めるだけではなく、「英語」を使って何をするのかを考える。

英語はあくまでも「ツール」なので、どのように活用していくのか。

そこが一番重要かなって改めて思いました。


英語の多動力

英語の多動力

ホモ・デウス下 人類は神をも超えるのか?

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ホモ・デウス上の続きの章である「下」

過去の事実からこの先の未来はどのようになってくるのか。

ヒューマニズムの話やテクノロジーが発展していった時の

人間の生活の変化や世界の格差の広がり方の話は目が引くような内容だった。

以下、個人的に面白いと思った内容をピックアップしてまとめてみた。

ヒューマニズム革命

善悪

人殺しが悪いのは神が「殺してはならない」と言ったからではなく

人殺しが悪いのは、被害者やその家族、友人、恋人が悲しむからだ。

つまり、物事は誰かが悪い思いする時だけ「悪い」ものとなるということ。

神の声や聖典というもので善悪を決めるのではなく、

人間の感情の名の下で人間の立場を正当化するということがヒューマニズム革命となった。

神の存在を信じていると言っている時でさえも、自分自身の内なる声の方を。はるかに強く信じているのだ。

(神を信じるよりも、自分の声を信じる)これが人間至上主義

自由市場

ヒューマニズムの派生から、自由市場では顧客は常に正しいという。

どんなに素晴らしい商品を作っても、それを顧客が欲しがらなければ

その商品はよくないものとなる。

では、顧客に合わせて食料になりうる動物たちの遺伝子操作をしたらどうなるのか。

「能力強化」された牛たちは乳房が重くて立ち上がることができない。

「アップグレード」されたニワトリは立ち上がることさえできない。

自由市場では顧客が常に正しいということだったが、

そのために家畜された動物たちは彼らのために能力強化していることの事実は消費者はどう感じるのか。

顧客のためなら自由市場は人間以外のものに苦しみを与えていてもいいことになる。

人間が求めれば、その分苦しむ動物がいるかもしれない。

自由市場は人間主体の市場なのである。


巫女から君主へ

1. あなたが質問すると、巫女は答えるが、決定を下すのはあなただ。

2. もし巫女があなたの信頼を勝ち取れば、当然、次のステップは代理人に変えることだ。

3. 誰もが巫女を信頼しているときには代理人から君主へと変わる。


この一連の流れを現状に置き換えるとすれば、

Alexa」や 「Google Home」が、決定権を手にしたら私たちは彼らを代理人へとアップグレードさせることになる。

それから人間全体が、それに従うことになったら彼らを代理人から、君主へと変貌する。

もし彼らが意識を手にして、人間を操れるようになったら、世界のあり方が変わるだろう。

全ての行動が監視されることが可能になる。

(「今日は雨が降るので外に出ないでください。」と言われ、人間がそれに従う将来がくるかも…?)


不平等のアップグレード

貧しい層とエリート層の二極化

もしエリート層が貧困層がいなくても暮らしていける。と思えば見捨てる可能性が出てくる。

  • エリート層

貧しい人々の健康水準を向上させること、あるいは標準的な健康水準を維持することさえ、意味がない。

一握りの超人たちを通常の水準を超えるところまで、アップグレードすることに専念する方が、賢明だと。

貧困層を救うより、超人たちの日々をアップグレードさせていけば新たなカースト制が生まれるかもしれない。


まとめ

この後に本文では「データ教」という話が出てくる。

実際はこの話はとても面白く重点的に読んだ方がいいかもしれない。

今回のユヴァル・ノア・ハラリの本は前回の「サピエンス全史」よりも

「未来」に目を向けた話となっていた。

ホモ・サピエンスの「ホモ」から「神」を掛け合わせた「デウス

題名でもあるホモデウスは、これから人類はどのような方向に進んでいくのか

テクノロジーをいい方向に使い、いい未来となるようにしなければならない。

歴史学者の彼のこれからの本も期待する所である。


ホモ・デウス 下: テクノロジーとサピエンスの未来

ホモ・デウス 下: テクノロジーとサピエンスの未来

ホモ・デウス 人類が神を超える!? 上

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人類がテクノロジーを手にし駆使した時、神をも超える存在になるのか。

生物工学、サイボーグ工学、非有機的な生物を生み出す工学。

これらを使い生物自体をアップグレードした存在にするのは神でもできなかったこと。

人類の過去から、未来に到るまで「より良い未来のために」何をするべきなのかが

見えてくる本である。

今日の世界

今日の世界では

  • 食べ物が足りなくて死ぬ数を、食べ過ぎで死ぬ数の方が上回っている。
  • 感染症の死者数より、老衰による死者数の方が多い。
  • テロや犯罪者によって殺害される人を全て合わせても、自ら死を絶つ人がそれをしのぐ。
  • 平均的な人間は、旱魃エボラ出血熱アルカイダによる攻撃よりもマクドナルドでの過食が元で死ぬ可能性がはるかに高い。

これらは現在の事実の現象である。

過去とは環境が変わり、人類が進歩するにつれてあらゆることが昔とは変わってくる。

これらの問題に向けてどのように取り組むべきなのか。


人類の寿命

現在は過去よりも医療が発達し、毎年最高年齢が更新されている。

人生100年時代と言われている中

100歳まで生きるのがステータスになってくるだろう。

一見、人間の寿命が伸びていると思うが実際はそうではない。

1900年には、世界の平均寿命は40歳に過ぎなかったが、

それは多くの人が幼いうちや若いうちに、

栄養不良や感染症や暴力のせいで亡くなっていたためだ。

それでも飢饉や疫病や戦争を免れた人たちは、優に70代、80代まで生きられた。

それがホモ・サピエンスの自然寿命だからだ。

実際は現代の医療で私たちの寿命は一切伸びていない。

医療は私たちの早死にを防ぎ寿命を一杯享受してくれてくれている。


アップグレードする人間

様々な工学により人間はアップグレードされていくだろう。

両足が麻痺している人を再び歩けるようにする

バイオニック・レッグが開発されたら

それと同じテクノロジーを使って、健常者をアップグレードできる。

高齢者の記憶力低下を食い止める方法が見つかれば、

同じ処置によって若者の記憶力を高められるかもしれない

人間のアップグレードは当初は治療という名目の下で正当化される。

いつかはこの科学が倫理観で議論が起こるのは間違いなくでる。

(現在も人間のゲノム編集で議論が起こっている)


科学と宗教

宗教は神ではなく人間が作り出したものなので、

神の存在ではなく社会的な機能によって定義される。

つまり、道徳律の体系を、彼らが信じているに過ぎない。

科学は「事実
宗教は「価値観」を

語っている。だから両者は衝突する可能性が高い。

宗教は「神は存在する」と倫理的規範ではなく事実を言っても

科学には、宗教が下す倫理的な判断を反証することも確証することもできない。

だから衝突する可能性が高い訳である。

両者の考えがこれからの社会的規範を作っていくのは間違いない。

未来のあり方にどのようなアプローチが必要かを考えなくてはいけない。

まとめ

このように、色々な観点から人間の歩みやどのような価値観があるのか、

神という存在や宗教の定義などから、人類がアップグレードするメリットやデメリット

過去の事実から現在の事象それから未来のあり方を考えさせられるホモ・デウス上であった。


ホモ・デウス 上: テクノロジーとサピエンスの未来

ホモ・デウス 上: テクノロジーとサピエンスの未来