読書ブログ

読書ブログ

読書から得た追体験を、ブログで話します

ホモ・デウス 人類が神を超える!? 上

f:id:AraiYukiya:20190406153841j:plain

人類がテクノロジーを手にし駆使した時、神をも超える存在になるのか。

生物工学、サイボーグ工学、非有機的な生物を生み出す工学。

これらを使い生物自体をアップグレードした存在にするのは神でもできなかったこと。

人類の過去から、未来に到るまで「より良い未来のために」何をするべきなのかが

見えてくる本である。

今日の世界

今日の世界では

  • 食べ物が足りなくて死ぬ数を、食べ過ぎで死ぬ数の方が上回っている。
  • 感染症の死者数より、老衰による死者数の方が多い。
  • テロや犯罪者によって殺害される人を全て合わせても、自ら死を絶つ人がそれをしのぐ。
  • 平均的な人間は、旱魃エボラ出血熱アルカイダによる攻撃よりもマクドナルドでの過食が元で死ぬ可能性がはるかに高い。

これらは現在の事実の現象である。

過去とは環境が変わり、人類が進歩するにつれてあらゆることが昔とは変わってくる。

これらの問題に向けてどのように取り組むべきなのか。


人類の寿命

現在は過去よりも医療が発達し、毎年最高年齢が更新されている。

人生100年時代と言われている中

100歳まで生きるのがステータスになってくるだろう。

一見、人間の寿命が伸びていると思うが実際はそうではない。

1900年には、世界の平均寿命は40歳に過ぎなかったが、

それは多くの人が幼いうちや若いうちに、

栄養不良や感染症や暴力のせいで亡くなっていたためだ。

それでも飢饉や疫病や戦争を免れた人たちは、優に70代、80代まで生きられた。

それがホモ・サピエンスの自然寿命だからだ。

実際は現代の医療で私たちの寿命は一切伸びていない。

医療は私たちの早死にを防ぎ寿命を一杯享受してくれてくれている。


アップグレードする人間

様々な工学により人間はアップグレードされていくだろう。

両足が麻痺している人を再び歩けるようにする

バイオニック・レッグが開発されたら

それと同じテクノロジーを使って、健常者をアップグレードできる。

高齢者の記憶力低下を食い止める方法が見つかれば、

同じ処置によって若者の記憶力を高められるかもしれない

人間のアップグレードは当初は治療という名目の下で正当化される。

いつかはこの科学が倫理観で議論が起こるのは間違いなくでる。

(現在も人間のゲノム編集で議論が起こっている)


科学と宗教

宗教は神ではなく人間が作り出したものなので、

神の存在ではなく社会的な機能によって定義される。

つまり、道徳律の体系を、彼らが信じているに過ぎない。

科学は「事実
宗教は「価値観」を

語っている。だから両者は衝突する可能性が高い。

宗教は「神は存在する」と倫理的規範ではなく事実を言っても

科学には、宗教が下す倫理的な判断を反証することも確証することもできない。

だから衝突する可能性が高い訳である。

両者の考えがこれからの社会的規範を作っていくのは間違いない。

未来のあり方にどのようなアプローチが必要かを考えなくてはいけない。

まとめ

このように、色々な観点から人間の歩みやどのような価値観があるのか、

神という存在や宗教の定義などから、人類がアップグレードするメリットやデメリット

過去の事実から現在の事象それから未来のあり方を考えさせられるホモ・デウス上であった。


ホモ・デウス 上: テクノロジーとサピエンスの未来

ホモ・デウス 上: テクノロジーとサピエンスの未来